今回は、今現在廃れている「赤緑ステロイド」について書いてみたいと思う。

>「赤緑ステロイド」とは
「赤緑ステロイド」とは、緑の優秀なクリーチャーによるビートダウンを活かす為に、赤の火力を投入し、クリーチャーという最も優れたダメージソースを本体に通す事を目的としたデッキである。

このデッキは従来ひとつのデッキタイプとして、昔から様々な時代に存在してきた。

・・・勿論、ビートダウンを除去で通すというデッキ自体は、黒と組み合わせる事でも可能ではあるが、黒よりも赤を使う理由については、その火力がブロッカーの排除だけではなく、本体へ撃つ事により最後の数点を削るフィニッシュブロウにもなるその汎用性により、黒よりも赤の方が優れているからである。
また、クリーチャー面からみても、黒よりも赤を重視している理由がひとつある。
それは、赤のクリーチャーの特性として「速攻」持ちが多いという事である。
これは、基本的に速攻で相手を叩きのめす事を念頭においたこのデッキには、まさしくただの除去よりも更に優先する選択理由のひとつであると思われる。

現に、過去のデッキを見ても、古くは「スークアタの槍騎兵(VI)」や「溶岩の猟犬(WL)」、かの「Fires」全盛期の頃には、そのデッキ名の由来にもなっている「ヤヴィマヤの火」の採用にもそれが当てはまるといえる。

また最近では「焦熱の火猫」等の採用がそれにあたるだろう。

以上のようにこの「赤緑ステロイド」というデッキは、昔からメタの一角に入るほどの実力を持ったデッキタイプなのだが、最近ではその影も無いほど、廃れているの現状である。

そこで今回は、何故「赤緑ステロイド」が今の環境で作られないのかという点について、少し書いてみようと思う。

>「ステロイド」の特性
「ステロイド」の特性といえば、「極楽鳥」等のマナ・ブーストから繋げるその展開力にあると思われる。
そしてその展開力を支えるのが、柔軟な除去である「火力」であることは先に述べた。

そこで今回は、今の環境で何が足りていて、何が足りていないのか、それらについてみていこうかと思う。

それでははじめに、足りているところから書くことにしよう。

>マナ・ブースト
今現在「ステロイド」という枠組みで組み込めるマナ・ブースとは、次の2種類になるだろうと思われる。

それは、「極楽鳥」と「桜族の長老」の2つである。

「極楽鳥」は昔から使われていたカードなので、特に言及はしないが、ここでは「桜族の長老」が問題になるのかもしれない。

「7版」までは「ラノワールのエルフ」という、非常に優秀なマナ・ブーストが存在した。
・    ・・流石にこれと比べては「桜族の長老」は劣るかもしれないが、それでもその事は大した問題ではないとは思う。
確かに2t目からのマナ・ブーストは、非常に大事な意味を持つけれども、今現在の環境では、2マナといってもそれほど遅くは無いからである。
また、「長老」については、確実にマナを伸ばせる事もあり、2マナ払う意義はあると思う。

つまり、今までの様なアグレッシヴさこそ無いものの、マナ・ブーストに関しては、それほど問題は無いようである。

>火力
今現在使用に耐えうる「除去」としての「火力」は、次の4種類が当てはまるだろう。

それは、「ショック」「マグマの噴流」・「火山の槌」・「紅蓮地獄」の4種類である。

・・・これらについても特別には問題は無いと思う。

確かに、その殆どが「2点」というのは、単体除去としては少し足りない気もするが、それでも今の環境で序盤の攻撃を通すだけならば、特に問題は無いと思われる。

「紅蓮地獄」については、ほぼその役割はサイドボードになるだろうが、やはり2マナでの全体火力は優秀であり、今流行の「白ウィニー」や「緑系コントロール」にも比較効きやすいので、「地震」亡き後の「火力」としては、十分だと思われる。

つまり、この点についても、さほどの問題が無い事はわかった。
それでは、今現在「ステロイド」が組めない理由は一体何があるのだろうか?
それは次の項からみていく事にする。

>土地による色マナ・ベースの不足
やはり、この事が一番大きな問題だと思われる。

今現在のカードプールには、「スペル」での色マナ・ベースは比較的多めに存在している。

各種「タリスマン」然り、「木霊の手の内」然り、「刈り取りと種まき」然りである。

これらの土地を伸ばすスペルは、コントロールないしはコンボなら、特に問題はないかもしれない。
しかし、「ステロイド」のようなビートダウンでは、これにあてるスペースを作る事が出来ないのである。

「ステロイド」にとって重要なのは、あくまでも「攻撃的な展開」であって、ただ土地を持ってくるという、そのようなカードを使うような余地は存在しないのである。

故に今一番必要なマナ・ベースとは、色マナを支える「土地」に他ならない。

過去に「ステロイド」が活躍していた頃、確かにそのカードパワーも原因のひとつには違いないが、それ以前に安定したマナ・ベース、とりわけ色マナの確保が容易だった事が、その強さを支える理由のひとつであったと思われる。
しかし今現在、色マナを自由に確保出来る土地は「真鍮の都」しかほぼ存在せず、今あるパワーカードを使うには、些かマナ事故を起こしてしまう傾向が強いのだ。

例えば、「炎歩スリス」や「ヴィリジアンの盲信者」を見てみれば一目瞭然だと思う。
デッキを支えるであろうパワーカードが、ダブルシンボルなのである。
そしてこれは、今現在あるパワーカード全てにいえることだと思っている。
「トロールの苦行者」然り、「永遠の証人」然り、「弧炎撒き」然り、「すき込み」然り・・・。
これらカード群は、今までのカード群と遜色無いカードパワーを持っているのだが、それをうまく活かせない理由が、土地による色マナ・ベースが無い事に原因があるのだと、私は思う。

>フィニッシャーの欠如
そしてその結果、フィニッシャーの投入が難しくなっているといえる。

今現在「赤緑」のフィニッシャーとしての座に位置しているのは、「弧炎撒き」や「山伏の長、熊野」だが、それ以外に「永遠の証人」や「トロールの苦行者」等も入るため、常に赤と緑のダブルシンボルが必要になっている。

そしてそれらのフィニッシャーも、状況によってはフィニッシャーになりえないのが「赤緑」の辛いところである。

他の色なら「飛行」という手段によって即フィニッシャーとなりうるが、残念ながら「赤緑」には、そのような回避手段がないのが、今のフィニッシャーの欠如に繋がるのではないかと思う。

・・・とりあえず結論については、字数制限の為、他に書いておくことにする。

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